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アルミダイカスト金型 グラビティ鋳造金型 金型修正と放電加工
本日から4回のシリーズに分けまして「銅電極を用いた放電加工による金型の修正」についてお話ししていきたいと思います。 弊社は「グラビティ鋳造金型・低圧鋳造金型・鍛造金型、またそれらに用いられるシェル中子金型の設計製作。 そして、実際の鋳造まで」をトータルにサポートしております。 そのような中で、お客様から金型の設計・製作だけでなく、様々な金型の修正のご依頼も頂きます。 その中でも「鋳造していて押出ピンが折れて、母型に残って取れなくなってしまった」ですとか 「金型の支柱のねじが折れてしまった」というお話が、時々ございます。 そのような修正には、 放電加工を用いる場合が多く、主に“銅電極”を用いて、 ねじ穴に残ったタップですとか押出ピン等を除去することになります。 今回ご覧いただいているのは、金型の入れ駒の部分、そこにφ8の押出ピンが 、長さ50mmで折れてしまい、駒の中に残ってしまってる。 という状況で、「叩いてもとれない」と、お客様からのお話がありました。 銅電極は丸の場合っですと、φ2の細いものから自社制作しております。 今ご覧いただいているのは、弊社で自作した銅電極をセットしている様子になります 除去しなければならない深さ、加工の深さですとか、電極そのものの長さや径をきちっと 計測し直して再確認していきます。
ダイカスト金型 エジェクターピンの破損 破損ピンの除去加工
前回に引き続き、「銅電極を用いた放電加工による金型の修正」をご覧いただきます。 前回は、ワークと電極を放電加工機にセットするところまでご覧いただきました。 つづいて、セットした銅電極の平行度の確認を行います。この様に電極が小さい、 平行を確認するための“面”が小さくしか取れない様な電極の平行度を確認していく作業は、結構な手間がかかります。 つづいて、電極の先端とワークのZの深さ基準、加工基準となる面との位置合わせを行い、加工深さ方向の“0”とします。 ワークの厚みが50ありますので、電極の先端がワーク底面より2mm出るように、余裕を見て加工します。 よって、放電加工機に入力する加工深さは、52mmということになります。 その後、φ8のピンの中心のXY方向の芯を合わせる作業を行います。
ダイカスト金型 押出ピンの破損と除去 放電加工と銅電極による除去
本日は、「銅電極を用いた放電加工による金型の修正」の三回目、 実際に銅電極を使った放電加工のプログラムを加工機に入力し、 加工を始めるところをご覧いただきます。 弊社は、金型の加工には主に、カーボン電極を用いております。 また、修正には、銅電極を主に、使用しています。 なぜかと言いますと、修正の場合、電極が細くなったり、 薄物になりがちになる傾向があり、カーボンですと、 電極そのものの加工中に、割れてしまったり折れてしまったりということが起こりやすいため、 銅電極を用いています。 銅電極のプログラムは、カーボン電極での放電と多少異なるところがあり、 揺動のパターンやプログラムパターンなど、普段とは違うプログラムを用いて加工を行っていきます。 いよいよ、放電加工機の水槽に加工油を満たし、ワークが完全に隠れるようにして、 放電開始となります。特に電極の当たりはじめ、 電極がワークに当たり始めた頃は、放電状態(これを有効放電と呼んでいます)が低い状態になっている場合がありますので、 「ワークがうまく放電されているか。 有効放電値はどうか」など、確認を行いながら放電加工を進めていきます。 放電状態がある程度安定してきたら、ライトを当てて、電極をワークから上げて、確認します。 ここは、きちんと目視して、ワークの状態を確認します。(これは特に修正の場合には重要です)
アルミ鋳物金型 ダイカスト金型の修正 他で断られた修正のご相談下さい
本日は、「銅電極を用いた放電加工による金型の修正」の最終回、 四回目になります。 金型の修正で難しいところ、注意しなければいけないところをまずお話しします。 特に金型が使い込まれていて、古い場合。 何度も鋳造を行うことで、金型が熱によって変形している場合があります。 そう言った場合、このように残った押出ピンの孔を突くという加工は、 図面通りの穴の位置に電極をもっていき放電を行っても、 金型の曲がり具合によっては、電極がきちんと丸の孔の芯に行かずに、 偏ってしまし、本来放電されなくてもいい孔の壁が放電されてしまう。 という現象が起こります。 ですので、放電加工の工程の中で、頻繁に、 孔の壁が放電されてしまっていないかどうかを確認していかなければなりません。 また、このように使い込んだ金型の修正では、孔の中に異物が混入していたり、 母材自身の材質の劣化により、銅電極が非常に減りやすい傾向があります。 このような場合、加工油をおろし、実際に加工されている孔の深さを測定し、 この深さがディスプレーの加工深さと一致しているかどうかの確認を行い、 電極の減りが適正かどうかを確認しながら作業を進めていきます。 極端に電極の減りが激しいようですと、予備の電極を使ったりしなければならなくなります。 弊社はアルミ鋳物金型、グラビティ金型、そして低圧鋳造金型、鍛造金型、シェル中子金型を設計・製作させて頂く中で、 お客様の金型のメンテナンスも、非常に重要な仕事であると考えます。 お客様の悩みごとや困りごと。是非弊社にご連絡ください。