アルミ鋳物 STLデータを金型化するリバースエンジニアリング技術

アルミ鋳物 STLデータを金型化するリバースエンジニアリング技術

2021-06-16








アルミ鋳物 STL/ポリゴンデータの実際と面修復作業の必要性 ATOS 3Dスキャナー

スキャニングされたアルミ鋳物の形状を確認し、
大きな面の欠落等がなければ
 スキャニングされたデータをポリゴン化します。

このポリゴンデータの拡張子は
 .STLとなります。
 ポリゴンデータには、どうしてもカメラで認識できなかった箇所が存在します。
 そういった穴の開いた部分を一つ一つ穴埋めしていきます。
一度にいくつもの
 孔を埋めて面を貼るモードもありますが、
今回は周辺の形状とできる限り近似
 させ、一つひとつ面を貼っていきました。
 

STLデータとCADデータの基準軸合わせと注意点

STLポリゴンデータの面の修復が完了したら、いよいよCADデータとの製品基準軸の
 位置合わせです。
今回の場合は、まず最初に「事前位置合わせ」と呼ばれるモードで
 CADデータと取り込んだSTLデータを、コンピューターの計算により“ベストフィット”させます。

 この“ベストフィット”はコンピューターが二つの形状を比較し、
全体形状の偏肉が最も少ないように位置合わせを行います。

 このモードは、比較的新しい金型から成形されたアルミ鋳物とCADデータとの位置合わせには、
非常に有効です。

 しかし、今回のアルミ鋳物製品は、鍛造製品を成形する際に使用される、
いわゆるプリフォームの製品になり、しかも、金型も古く、
その金型も、かなり人の手が加えられている可能性のある。というものでした。

 よって、ベストフィットを行った後、実際に計測された要素をいくつか拾い出し、
位置合わせに変更を加えることにしました。

 詳しくは、次回動画でお話しします。
 

STL/ポリゴンデータの実際とリバースエンジニアリング技術の重要性

今回はATOS Core300で実際にスキャニングし、ポリゴンデータに変換した形状を、
リバースエンジニアリングシステムの一括でのIGES変換した形状と、
オリジナルのCADデータとがどのように違うのか。

そして、実際に一括でのIGES変換した形状を、
高速加工機で加工した場合の面がどの様になるのかを見ていきたいと思います。

 まずは、CADデータをご覧ください。
これはもとより、図面から寸法を入力し、形状を作成したものになります。
 フィレットはフィレットとして、平面は平面として形状を構成しています。

 次に一括でのIGES変換した形状です。
ご覧いただくと一目瞭然です。
ポリゴンデータのCADデータ化は、このように無数のパッチ面で構成されることになります。
 続いて、このポリゴンデータをIGES変換した形状を、
TebisのCAMシステムに取り込みテスト加工した結果がこれです。
 例えばこの部分のでっぱりです。ポリゴンデータとCADデータとを比較すると、
CADデータにはないことがわかります。

しかし、TebisのCAMシステムは
この小さなポリゴンデータ形状を正確に加工していることがわかります。

 全体としては、ポリゴンデータの一括でのIGES変換した形状でも、
TebisのCAMシステムできれいな面が加工されていることがわかります。
 しかし、完璧なアルミ鋳物製品の金型を作成するのであれば、
弊社のリバースエンジニアリングシステムを用いて、
スキャニングしたポリゴンデータをきれいな面に張り替えるのが、
よりベータ―なのではないかと考えます。