本日は、弊社の金型の設計・製作における基本的な考え方。
「お客様の利益を最大化する金型の設計・製作の基本」をお話ししたいと思います。
もう40年ほど前に“放電加工機”というものが世の中に出始めて、まだ価格が非常に高価であったころ、
弊社では比較的早く放電加工を導入しました。その当時の電極材には“銅”や“カーボン”がありましたが、
弊社は主として“カーボン”を電極材として使用していました。重切削用のNCフライスを用いて粗取りをした後、
放電加工機を使い最終仕上げを行う。という形です。
その後“高速加工機”が世に出始めました。それと前後して、
現在は当たり前になった“CAD/CAMシステム”も出始めました。
どちらも当時は非常に高価で、
なかなか小さな会社に手の出せるような価格ではありませんでした。
弊社の高速加工機導入は、同業他社と比べると決して早い方ではございませんでしたが、
現在はTebisのCAD/CAMシステムと共に、弊社の金型製作の柱になっております。
しかしながら、この“高速加工機”...ともすると
「電極なんか使って加工するよりは高速加工機で全部仕上げてしまえばいい」
という考え方の“理由付け”になってしまっている部分もあるのではないでしょうか?
三軸の高速加工機を用いて加工するといっても、
どうしても“狭くて勾配も少なく、底面の隅Rが小さいような場所の加工には、
高価な五軸加工機のように軸を傾けるわけにもいかず、
不向きな部分も存在します。それにより、突き出しの長い小径のエンドミルを用いて、
何度も同じ場所を繰り返し加工するという、無駄な工程も出てきます。
いかに高速加工機といえど、突き出しの長いエンドミルを使用すれば、
当然工具に“ビビり”が発生し加工面に大きく影響します。
そのような中で弊社では「高速加工機の良いところは最大限利用して加工し、
高速切削でも加工時間がかかるような個所については、むりむり加工せず、早めに電極を作成しておいて、
その部分は放電加工機に任せよう」そのようなコンセプトで、金型の製作を行っております。
少し前になりますが、マキノフライスさんが、弊社のこの様な加工方法の事を「ハイブリット加工」と言っておりました。
昨今は五軸加工機が世の中に出回るようになり、そのような言い方もされなくなってしまいました。
弊社は、中・大物のワークを、高精度に加工することが出来る“マキノフライスのV56”こちらの能力を最大限に引き出し、
尚且つ“時間と工数を節約するため”に、放電加工機も同時に用いて、昔ながらの“ハイブリット加工”を重要視しております。
高速加工機で仕上げられるところはすべて仕上げ、放電加工においては、
高速加工機でも時間と工数の掛かる部位だけを、カーボンを主に用いた、いわゆる“部分電極”を使って加工し、
お客様に低コスト・短納期を実現しております。
お客様からすると「電極なんか使うと金型費が高くなるのではないか?」
そう言ったご心配あるかと思いますが、
決してそのようなことはございません。
そのようなお客様にこそ、気になる金型の費用を、ぜひ一度お見積りさせて頂けたらと存じます。
金型の様々なご相談事。お待ちしております。