鋳物メーカー廃業による転鋳

有限会社M製作所様の場合

弊社とアライアンスを組む群馬県の鋳造メーカーに、自社のお客様から、「うちの顧客で、今協力してもらっている鋳造会社が廃業になるということで、非常に困っている。そこで新しい鋳造先を探しているが、なかなか良い鋳造メーカーが見つからずに困っている」というお話がありました。

しかし、今まで使われていた主金型は、かなり傷んでおり、また、シェル金型もかなり傷んでいました。さらに主型については、今まで低圧鋳造法で行っていた鋳造法を「グラビティ鋳造式」に変更し、新たに金型とシェル中子金型を設計・製作し直しました。

深くて沢山のリブ形状を持つこの製品は、一応の図面はありましたが、3次元データがあるわけがなく、製品のリブの形状を出すために、かなり金型に手が加えられ、尚且つ、シェル中子に至っては、“寸法では表しきれない形状”も存在し、古い金型とそこから鋳造された“製品”と、古いシェル中子金型から成形された“シェル中子”との、いわば“にらめっこ”で、製品の形状を作りこんでいくという、かなりの時間を要する作業になりました。


ポイントとなる、「金型のガス抜き機構」についても、様々な試行錯誤を経て、製品化することができました。


このお客様からは「こんな古い金型だけれども、様々なノウハウが入っている。この金型を新しく蘇らせて、今まで以上に良いアルミ鋳物製品を提供してもらい、正直信じられない!」と、弊社の金型設計・製作の技術力と、アライアンスを組む群馬県の鋳造メーカーの“鋳造能力”に、驚かれ、そして、感謝のお言葉を頂きました。